他家に嫁ぐ女性なら特に大きな節目で家紋が気になることってありますよね?
嫁いだはずなのに旦那さまの着物の家紋と違う家紋がついていると少々慌ててしまうものです。
今回は奥の深い家紋についてまとめてみたいと思います。
着物の家紋が違う!?男紋と女紋の違いや家紋の意味とは?
あなたがお嫁に行って初めて着物を着た時に旦那さまと家紋が違うとちょっと慌ててしまいますよね?
地域にもよりますが男性と女性の着物の紋は同じ家族でも違うことが多く、それぞれに意味があります。
男性の羽織に入っている男紋と女性の着物に入っている女紋では紋の大きさも違い、男紋が一寸、女紋が五分五厘と女紋の方が一回り小さくなっています。
家紋を入れる着物は黒留袖・色留袖・喪服着物・色無地・男児初着が代表格でいずれも格式の高い白抜き紋を入れることが多いです。
着物に入れる家紋には時代の流れや地域性で左右されることもあるため、これが絶対というわけではありませんが基本的に着物の紋はその着物をどの家で購入したかという目安になります。
どういうことかというと昔は着物はその人の財産でもあったため、誰のものでどこの家がお金を出したかということをひと目で分かるようにしたとか。
要はスポンサーマークですね。
さらに万が一、出戻ってしまったとしても紋を入れ替える必要もないということになりますね。
ですので嫁入り道具としてご実家が持たせた着物であればご実家の紋でも問題ないということになります。
逆に嫁いでから嫁ぎ先で仕立ててもらった着物であれば嫁ぎ先の紋が入ることになります。
昔は親戚がたくさん集まっても着物に入っている家紋でどの人がお嫁さんなのか分かるようになっていたり、嫁入り道具には生家の家紋を入れてお嫁さんの財産としたわけです。
また関西の方では祖母から母へ母から娘へと女系だけで受け継いでいく女紋が存在します。
同じ家族でも家紋が違うのはこのようなことが理由ですので、たとえ違っていてもびっくりすることはありません。
どうしても気になるなら嫁ぎ先のお姑さんとよく相談してみましょう。
着物の家紋は入れ直すこともできますので、そこまで深刻になる必要もないのです。
着物の家紋を入れ替える必要あり?家紋の入れ直しにかかるコストは?
着物の家紋をよく知る人ならいざしらず、全く知らないお姑さんだった場合「家紋を入れ直したら?」なんて言われるかもしれません。
女紋の風習がある関西地方から関東へお嫁に行った場合によく起こるトラブルですが、お姑さんに理解していただけないなら嫁ぎ先で使う着物だけでも家紋を入れ替えてもいいですね。
着物の家紋は紋の数にもよりますが1万円から2万円前後で入れ直すことができます。
着物の家紋はこれが正しい!というものがなく、地域性や嫁ぎ先の価値観などでも変わってきます。
結婚後もつつがなく、波風を立てたくないならお姑さんの意見を尊重し家紋の入れ直しも視野に入れてみましょう。
七五三の男の子の着物の家紋はどうしたらいい?
ここで困るのが七五三です。
特に男児の場合、羽織袴に家紋が入るためトラブルの原因になりがちですが、この場合はご実家で仕立てたとしても生家(嫁ぎ先)の紋が入ります。
なぜなら男児のママであるあなたはすでに嫁いだ身であるためで、いくらご実家で仕立てられたと言っても結婚を境として嫁ぎ先の一員となってしまっているからです。
まして嫁ぎ先で生まれた男児は昔風に言えば嫁ぎ先の跡取りであるため、正式に嫁ぎ先の紋が入ることになるわけです。
前章で着物の家紋はスポンサーマークと書きましたが、結婚前に嫁入り道具として持ち込んだ着物であればご実家の紋、結婚後はいくらご実家で仕立てたとしても嫁ぎ先の紋となることを覚えておくと良いでしょう。
基本的には上記の通りですが、こちらも地域性によって左右されることが多いので出入りの呉服屋さんやお姑さんと良く相談するようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?
着物の家紋は地域によって大きく異ることが多く、これが正解というものがありません。
ここでは基本的な家紋の解釈の仕方を書きましたが必ずしもこれに当てはまるわけではありませんのでご注意くださいね。
着物の家紋は奥が深く、女性の場合は嫁ぎ先の紋であってもその紋が武家由来の猛々しい紋であった場合、通紋と呼ばれる女性なら誰でも使って良い紋を入れる場合もあります。
お姑さんが紋に対して深く考えないような方であれば通紋を入れるのもひとつの方法ですね。
とは言え、嫁ぐからには一度はお姑さんの意見を聞いてみるのが一番良い方法だと思います。
着物の家紋は入れ直すことができますので、せっかくの着物は家紋に臆することなくしっかり着るようにしましょうね。