古い家ほど多くの着物が眠っているものです。
まだ本人が元気な内はいいのですが、もし亡くなって遺品となってしまえば何らかの対策を打たなければなりません。
まだ悲しみが癒えていない遺族が対応することがほとんどですからストレスとなることもしばしばです。
さらに処分方法についても気を配ることが求められます。
伝統的な和装の中にはもう製造されていないものも多く、プレミアが付いているものも少なくありません。
こうした品物は時間の経過と共に価値が上がりますから長期保管を考えている人もおおいことでしょう。
ただそれは必ずしも得策とはいえません。
一時期でも収納しておくより、むしろ早めに着物買取に出した方がいい場合がほとんどです。
理由は着物の材質と求められる取り扱いにあります。
古くて価値の高いものほど自然由来の生地が採用されており、その特徴は染料でも同様です。
このため人間だけではなく布地を好む虫も寄ってきてしまいます。
中には伝統的な防虫加工を施した和装も存在しますが、時間の経過と共に効果が薄れることは免れません。
その上日本特有の気候が生地を徐々に蝕んでいきます。
梅雨の湿気はカビの発生を促し、冬場の乾燥も傷みの元になりかねません。
我が国伝統の衣装でありながら気候に悩まされるという矛盾した特性を兼ね備えています。
遺品になる前には持ち主が常に手入れをしていたため、美品ともいえる状態が維持されていることでしょう。
では家族が同じようなメンテナンスを続けることができるでしょうか。
虫がつかないよう定期的に風通しをよくするのは基本中の基本です。
その頻度も季節によって微妙に変えなければならず、調湿性に長けた桐タンスも必要になります。
虫対策なら防虫剤を入れていけばいいというのは極めて安易な考えです。
生地の素材によっては化学薬品と触れることにより変質を起こしてしまうこともあります。
これらに配慮を少しでも怠ってしまえば、瞬く間に虫食いやカビにシミといった事態を招くことでしょう。
それでは価値の高い着物であっても二束三文にならざるを得ません。
加えて煩雑なまでに数の多い小物を揃えておくことも重要です。
何気なく入っていた紙が、実は価値を証明するものだったことも珍しくはないのです。
手間やリスクを考えれば早めに処分した方が結局は価値的です。
きちんと目利きが活躍している着物買取専門店なら、適正価格で査定してくれます。
人が亡くなる前後は何かと物入りにもなりますから、遺品を処分して現金を確保することも当然の権利です。
着物買取に出せば着物を保管する労力だけではなく、スペースの節約にも繋がります。
故人を偲ぶ形見で遺族の生活が脅かされては何にもなりません。
直近で使う機会が無いのであれば、遺品は大胆に処分していくべきです。
着物買取は引き取りに来てくれる宅配式の店舗も多く忙しい人にこそ最適です。
価値の高い着物をしっかり市場に流して、有効に活用できる手立てを講じていきましょう。