若かりし頃に仕立てた着物はあるけど、仕立てた当時に比べて10キロくらい太ってしまって着られるか不安です、というご相談をよくいただきます。
例えば結婚を機に仕立てた着物であれば中年以降に太ることも計算に入れてある程度大きめに仕立てたりするものですが、どうすれば太っても着物をきれいに着こなすことができるのでしょうか?
着物のサイズは太った時はどうしたらいい?
着物を仕立てた時よりも太ってしまったとは言え、着物であれば10キロくらいまでは許容範囲です。
特に結婚を機に仕立てられた着物であれば中年以降に太ることを計算に入れて多少大きい作りになっているためそこまで気にすることはありません。
洋服と違って着物なら少し太った程度で着られなくなるということはありませんのでご安心を。
基本的に着物を着る時は凹凸をなくすべく体型補正をしていくので、もともと出ているバストなどが更に以前より大きくなっているならサラシなどで抑えてもいいでしょう。
特にバストは着付けが完了した時に帯の上に乗っかった状態になってしまうとものすごく老けた印象になりやすいので、体型の変化に関わらず中年以降は気をつけたいポイントです。
また仕立てた時に比べて太ってしまった場合に一番チェックしていただきたいのが身幅が足りているかどうかです。
着物を着て正面を向いた時に脇線から着物の褄までの幅があなたの体の幅と同じくらいなら大丈夫ですが、太ったがために自分の体よりも着物の幅が小さいなら要注意。
着付けの際にちょっとしたコツが必要になってきます。
着物の着付けで太った時に綺麗に仕上げるコツは?
10キロ以上太ってしまった場合に考えられるのは身幅が足りなくなることです。
着物は一見サイズなんてなさそうに感じるかもしれませんが、着る人の身長や胴回りのサイズを元に仕立てられています。
ですので太ったことによって胴回りのサイズが大きくなると少々不便なことが出てくることがあるんです。
まず着物を着ると足の外側の側面に脇線が見えますが、身幅がちょうどなら脇線から脇線に着物の褄が届きます。
これが身幅が足りなくなると脇から脇に褄が届かず、上側の着物が中途半端な位置までしか届かなくなってしまいます。
こうなってしまうとみっともなく感じてしまうので、上前の褄を右の脇線まで移動させます。
その際、背中心も左側に移動してしまいますがズレるのは下半身だけなので問題ありません。
腰から下の布を左に回転させるイメージです。
こうすることで上側の着物が右の脇線に届くようになりますが、同時に左の脇線が左足の上に来ることになります。
この脇線がズレることは着付けを習ったことがあるなら違和感を感じられるかもしれませんが、大半の方はそんなに気にならず気づかれないことが多いです。
そして上前を左に引くことで下前(下側の着物)が両足の中央付近から始まることになるため裾がはだけやすくなります。
歩く時は小股で歩くよう気をつけたり、イスに座る際は上前を押さえて腰掛けるようにしましょう。
また着付師さんによっては布地を過度に引っ張って足りない部分を補おうとする方もいらっしゃいます。
引っ張りすぎると太ももやお尻のラインがくっきりと出てしまいますので、引っ張りすぎているなと感じたら一声かけるようにしましょう。
このように多少身幅が足りなくても着物を着ることはできますが、これらが不都合だと感じられるなら仕立て直ししかありません。
これが街着などのカジュアルな着物ということであれば下前側にお好きな布を縫い付けるという方法もあります。
着物と同じ布地は見つからないと思いますのでよく似た色目の布地を選ぶと目立ちません。
脇線の位置は変わりませんが裾のはだけやすさは格段に違います。
多少コストはかかっても仕立て直しが一番きれいに着付けられますが、安い着物が一枚買えてしまう金額になることもあります。
格式の高い着物で今後も着る予定があるのであれば仕立て直しも視野に入れたほうがいいですが、カジュアルな着物であれば売却して新しい着物を買う方がコストもそんなにかかりませんし、何より新しい着物まで手に入ります。
いろんな角度から考えて良い方法をセレクトしてくださいね!
着物はどこに売るのがお得?
仕立て直しなんてとんでもない!
新しい着物が買えるほどの値段で仕立て直すくらいなら小さい着物を売って新しい着物を買いたいわ!と思うなら、着物を専門に買い取る「着物買取」が一番お得に売ることができます。
着物の格式が高かろうと低かろうと、古い着物でも新しい着物でも買取ってくれるのが着物買取です。
ちなみにリサイクルショップのようなさまざまな物を買い取るようなところでは着物を正しい金額で売ることができません。
嫌な顔をされて二束三文で買い叩かれるのがオチです。
なぜなら着物の価値や正絹の質などを見極める専門の鑑定士がいないからです。
着物買取にはこの専門の鑑定士が在籍しているので、着物の価値をしっかりと査定しその着物に見合った査定額を提示してくれる可能性が高くなるのです。
まとめ
いかがでしたか?
洋服だとちょっと太っただけでも着られなくなるものがあるのに対し、着物はわりと融通がきくいいアイテムです。
仕立てた着物のサイズが少しくらい合わなくても着付け方次第では十分着物を楽しむことができますよ。
おしゃれ着程度であれば上記の着付け方で十分対応できます。
着付けを習ったことがあって、脇線が見えてしまうのが気になったり今後もその着物を着る機会が度々あるようでしたら思い切って仕立て直しに出してみましょう。
どんなに着付けのコツをつかんだとしてもジャストサイズが一番きれいですので仕立て直しがベストです。
仕立て直すまでもないと感じるなら思い切って着物買取に出してみるのも一つの方法です。
仕立て直しは安い着物を買えてしまう金額になることもありますので、それなら着物買取に出して新しい着物を購入する軍資金にするのもアリですよね。
あなたの着物ライフにピッタリな方法が見つかるといいですね!