古い着物は長年たんすにしまいっぱなしになっていることが多く、時として異臭を放つことがあります。
カビ臭いような樟脳臭いようなホコリ臭いような、とにかくこのような臭いがキツくて着られない、なんてことがないように今回は古い着物についてしまった臭いを取る方法をご紹介していきます。
古い着物が臭い場合はどうしたらいい?
長期間たんすにしまいっぱなしの着物はカビのようなナフタリンのようなホコリのような、何とも言えない臭いがするもの。
樟脳であるナフタリンの臭いはまだガマンできても、カビやホコリの臭いには抵抗がある場合が多いですよね?
なんとかガマンして着たとしても周りの人に迷惑がかかっていないか気が気じゃありません。
このような古い着物特有の臭い、どうしたら消臭できるのでしょうか?
さまざまな消臭法をご紹介します。
1:1ヶ月間ほど風通しの良い場所で陰干しする
着物をハンガーにかけた状態で風を通し、臭いを取る方法です。
天然の風を利用するため時間がかかり、梅雨時期にはあまり効果がありません。
時間に余裕があり、時期的にも虫干しができる時期であれば陰干しが一番コストがかかりません。
2:ドライヤーの温風を当てる
着物に含んだ湿気を飛ばす効果があるため一時的に臭いが軽減します。
すぐに着物を着たい、だけど臭いもなんとかしたいという時に即効性のある方法です。
3:着物の裏からアイロンをかける
スチームアイロンで着物の裏から蒸気を当てる方法ですが、高級な着物や金箔や刺繍が施されている着物には注意が必要です。
絹は熱に弱いので変色の可能性もありますのでよほどのことがない限りこの方法は使わない方がいいかもしれません。
4:ゴミ袋の中に着物と冷蔵庫の脱臭剤を入れて1ヶ月放置
意外と高評価なのがゴミ袋にたたんだ着物と冷蔵庫用脱臭剤を一緒に入れて約1ヶ月放置する方法です。
着物を着るまでにある程度の時間がある場合にしか使えませんが、コストもそんなにかからないのが嬉しいポイントですよね。
脱臭剤と着物は直接触れないように注意しましょう。
5:丸洗いや洗い張り
着物専門のクリーニング店などで行ってくれる丸洗いや洗い張りはコストがかかってしまいますが一番確実な方法です。
着物を持ち込む時に臭いが気になることをしっかりと伝えましょう。
着物がナフタリン臭い時はどうすれば臭いがとれる?
樟脳に使用されているナフタリンの臭いはカビやホコリの臭いに比べるとまだマシな臭いと言えます。
それでも長年たんすで保管されていた古い着物の場合はナフタリンの臭いが気になるもの。
防虫剤の成分はほとんどが揮発性ですので風を通すことで気化が早くなり臭いが取れていきます。
ですので前章で書いたように陰干しやドライヤーで臭いを気化させてやるのが無難です。
緑茶をフライパンで炒って半紙に包み、たんすの中に入れておくことで消臭することもできますが、最近はいろんな香りの和装用防虫剤がありますので取り急ぎ無臭タイプのものを入れておくのがベストです。
昔の防虫剤は特に臭いがキツイので、これを機に防虫剤の香りにもこだわってニオイの少ないものを選ぶようにしましょう。
着物がカビ臭い場合の対処の仕方は?
古い着物の臭いの中で最も頑固で取りにくいのがカビの臭いです。
着物がカビ臭いということはたんすの中、もしくは着物にカビが発生している証拠。
カビの菌や胞子は目に見えないので、そのまま放置してしまうといずれカビが目に見えて発生し始めます。
どうしてもカビ臭い着物を着なければいけないならば一番確実なのは丸洗い。
着物の丸洗いは縫い目を解くことなく洗いますので、縫い目を解いて洗う「洗い張り」に比べるとコストは低めです。
それほどカビの臭いは強烈で素人ではなかなか取り除くことができません。
古い着物を保管しているなら定期的にカビの臭いがしないか確認するようにしたいところですね。
まとめ
いかがでしたか?
一言で古い着物の臭いと言っても実にさまざまな臭いが混じり合っています。
臭いごとに対処できる方法はありますが、確実なのは丸洗いがダントツです。
できれば和服を専門に扱う洗い張りのお店で丸洗いをお願いするようにしましょう。
またカビ臭いたんすの中に収納してしまうといくら丸洗いしてもまたカビの臭いが着物についてしまいます。
春や秋の湿度の低いお天気のいい日に着物を含め、たんすの引き出しなども一度干してあげるとカビの臭いも軽減します。
着物はたんすに入れっぱなしにしないよう、年に一度くらいは陰干しで風を通してあげましょうね。
カビが生えるほどの長期間、タンスの中で保管していたということはその着物はもはやあなたにとって不要な着物と言えます。
これを機に着物買取業者に売却することも視野に入れておくと良いでしょう。
古い着物を売る場合、臭いがキツイと買取価格はどうしても下がってしまいます。
査定前にせめて数日間は着物ハンガーにかけて風を通して上げることでいくぶんか軽減しますので、売却前に陰干しをおすすめします。
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