
久々に黒留袖を着てみたら裾から白い布地が見えていました。
普通は白い布地は見えないものなのですか?というご質問をいただきました。
今日は黒留袖について少し掘り下げて解説してみますね。
黒留袖の白地が長くて裾から見えている場合はどうしたらいい?
地域にもよりますが、基本的に黒留袖の裾から白い着物が見えている場合は中の白羽二重が落ちてしまっている状態ですので仕立て直しが必要になります。
地域によってはわざと見えるように仕立てる場合もありますので、お近くの呉服屋さんに聞いてみましょう。
昔の黒留袖は本仕立てと言って、白地の着物を着た上に黒い留袖を着るという仕立て方になっていますが、今回の場合は比翼仕立てという白地が留袖にくっついた仕立てになっている可能性が高いです。
比翼仕立ての留袖はクリーニングによって表地が縮んでしまったり、長期間ハンバーに吊るすことによって中の白羽二重が落ちてしまうことがあります。
基本的に中の白地は衿は見せますが裾は1センチ程度中に入った状態で、上記のことが原因でまれに白地が裾から見えてしますことがあるんです。
裾から白地が見えていることに着付けの最中に気づいた場合は裏から目立たないように白地を少し上げて縫い付けましょう。
一旦落ちてしまった白羽二重は仕立て直しに出さなければ直りません。
今後も黒留袖を着る機会があるのなら呉服屋さんに相談しましょう。
白羽二重のみの仕立てであれば2万円前後で仕立て直すことができます。
黒留袖に比翼がない!?あなたの着物は本仕立てなのかもしれません
黒留袖の衿に白い比翼がない場合は本仕立てという二枚仕立ての着物の可能性が高いです。
昔の黒留袖では普通だった仕立て方ですが、2枚着るとなると重量もあり着付けも煩わしくなることから現在では比翼仕立てが主流です。
本仕立ての着物でよくある失敗が、着付けの際に下襲(したがさね)である白地の着物を長襦袢と勘違いして肝心の長襦袢を持っていかなかったというミスです。
ご自分の黒留袖が本仕立てということに気づいていらっしゃらなかったために起こるミスですので、今一度ご自分の黒留袖を見直してみましょう。
特にお母さまからいただいた黒留袖だったり、お祖母さまが仕立てた黒留袖をお持ちの方は要注意です。
長襦袢がないと当然着物を着ることはできませんので、着付けの際には長襦袢をレンタル、もしくは購入することになります。
いろいろな着付けの方法がありますが、本仕立ての黒留袖の場合下襲と長着である黒留袖は重ねて着せます。
その際ズレないように事前に数か所糸で留めておくときれいに着付けることができます。
時々、下襲を着ずに白の伊達衿を着けてもいいですか?というご質問をいただきますが基本的にNGです。
下襲を着るのが面倒、重くてつらいというなら本仕立ての留袖は仕立て直して比翼仕立てにしてもらいましょう。
まとめ
いかがでしたか?
黒留袖は既婚女性の第一礼装でもあるので、着る時はきちんと着るのがマナーです。
比翼仕立ての黒留袖は長期間ハンガーに吊るさず、汚れなどが気になる場合はシミ抜きに出すようにしましょう。
そうすることで裾から白羽二重が出てしまうことを防ぐことができます。
高級で格式の高い着物ですから安価なクリーニングには出さないようにしてくださいね。
また白羽二重が裾の中に収まって着る地域と裾から出して着る地域がありますので、嫁ぎ先のお姑さんに聞いてみるのも一つの方法です。
本仕立ての黒留袖をお持ちなら、よほどの熟練着付師さんでない限り着付けるのが難しいかもしれません。
着付けを頼む時は事前に本仕立ての黒留袖であることを伝えると当日バタバタしないで済みます。
個人的には本仕立ての黒留袖は本格的でぜひ着ていただきたいと思っていますが、実際に着るあなた自身が面倒だと感じるなら比翼仕立てにしてもいいかもしれませんね。
これを機にお持ちの黒留袖がどんな仕立てになっているか今一度チェックしてみるといいですよ。