着物といえば家紋といえるほど格調の高い着物になればなるほど必ず家紋は入っています。
今回は着物をリサイクルする際の家紋について書いてみようと思います。
着物をリサイクルに出すときに家紋があってもいいの?
断捨離を兼ねて着物をリサイクルに出そうと思い立ったまではいいけど、家紋って入ったままでいいのでしょうか?
家紋は家ごとに違う紋章なので躊躇するのも当たり前です。
ですが結論から言うと『家紋はそのままで構いません』。
なぜなら家紋は専門の業者で変えることができるからです。
さらに家紋と一口に言っても男紋と女紋があり、男紋はその家の家紋を、女紋はご実家からの紋だったり一般的な女紋を入れている場合もあります。
ここで言う一般的な女紋とは五三の桐や蔦、揚羽蝶などで女性なら誰でも使える紋として「通紋」とも呼ばれています。
これらは代々女性だけに継承されるものもあれば、一代限りのものもあります。
愛知県より西の地域では代々女性だけに継承される母系紋という紋が今でも存在しています。
女性なら誰でも使える通紋ならリサイクルにそのまま出すことができますし、紋が気になるなら次に買った人が変えればいいだけの話しですよね。
ですのでリサイクルに出す場合も、リサイクルで手に入れる場合も紋にはそこまでこだわらなくても大丈夫なんです。
着物の家紋を消す方法は?
着物の家紋にはいろんな手法で紋が入っていて、その手法によって消す方法も異なります。
紋の種類には
・染抜紋 → 布地を白く染め抜いた紋
・切付紋 → 着物と同じ布地に染め抜いた紋を貼り付ける
・縫紋 → 刺繍で紋を表したもの
・絞り紋 → 絞り染めをしたような刺繍で表した紋
などがあります。
染抜紋の場合は染め直しすることで紋は消えますし、切付紋なら紋を剥がしてもらう、縫紋や絞り紋の場合は縫い目をほどくことで紋は消えます。
いずれも自分でできる場合もありますが、きれいに消したいなら呉服屋さんや着物クリーニングのお店に頼む方がいいです。
どなたかからいただいた着物やリサイクルショップなどで購入した着物に紋が入っている場合は、このような方法で紋を消すことができますよ。
紋の種類と着物の格の関係
実は紋の種類と着物の格には関係がありまして、染抜紋や切付紋は留袖などの格調の高い着物に用いられます。
縫い紋や絞り紋は略式の紋なので色無地や附下げなどのあまり格調の高くない着物に用いられます。
ですので普段着使いの着物に紋が入っていることは少なく、おしゃれ着として着物を着るなら紋の心配はそこまでする必要はありません。
逆にオリジナルの縫い紋などを入れてあなただけの紋を作ることも可能なんですよ。
まとめ
いかがでしたか?
紋は専門の業者に頼むことで消すことも変えることもできるため、リサイクルする際にも何も気にすることはありません。
よほど珍しい紋でその紋によってあなたの出自がバレてしまうなら消したほうがいいかもしれませんが、ほとんどの場合はそうではないでしょう。
逆にリサイクルショップなどでおしゃれ着を購入した時は自分でデザインした縫い紋を背中にひとつ入れるだけでもグッとオリジナル性が高まります。
紋を気にすることがなければ着物の断捨離もサクサク進められそうですね!