
着物はいつの時代も着ることができる優れものですが、昔の着物をそのまま着るのはおかしいかな?なんて感じたり、洋服のように柄によって流行りがあるのか考えてしまいますよね。
また古典柄には流行りがないと一度は聞いたことがあるかもしれませんね。
今回は着物の柄に関しての流行りや昔の着物を今風にしてしまう小技をご紹介していきます。
着物の柄に流行りってあるの?
着物の柄にも洋服と同じように実は流行りがあり洋服のように短い周期で流行りが変わることはありませんが、20年前後を周期として確実に柄の変遷はあります。
振袖や訪問着など着物の種類によって柄の流行りも変わったりすることもありますが、最近では「辻が花模様」が着物の種類を問わず流行しましたね。
留袖は吉事で着用することが多いので流行りの柄ではなく吉祥文様のようなおめでたい柄が入っていることが多いため、柄の流行りは主に振袖や訪問着、附下げなどに取り入れられることが多くなっています。
昔であれば大振りな蝶柄などが流行しましたが、昔流行った柄だからと言って「ちょっと古い着物なんじゃない?」なんて感じる人はほんの一握りなんです。
着物と触れ合う機会が多い人はそう感じることもあるかもしれませんが、ほとんどの人は柄で時代を言い当てるなんて芸当はできません。
ですので昔流行した柄の着物だから着られない、なんてことは全くありません。
でもタンスの奥に眠っている着物を引っ張り出した時、なんだか古臭く感じることがありますよね?
あの古さというのは柄というよりも色で時代を感じてしまっているんです。
洋服で色の流行を知らないうちに感じてしまっているために、昔の着物の色をひと目見た時に古臭さを感じてしまうのかもしれませんね。
このように着物の柄に流行りはありますが、一人が一生涯で着る分には充分な流行の周期なのであまり気にすることはありません。
着物の柄は季節があっていれば昔のものでも着れる?
着物には時々季節の柄が入っていることがあり、それによって季節感を感じることができます。
四季折々の植物や風物詩が描かれているわけですが、春には桜、夏には朝顔、というように季節に合った柄を着ることになります。
このようにすることを柄を合わせるなんて言いますが、季節の柄を合わせれば昔の着物だって当然着ることができます。
ちょっと古臭さを感じてしまうなら、半衿や伊達衿、帯揚げや帯締めを最近のものに変えてみてもいいかもしれませんね。
帯を何本かお持ちなら帯で今っぽさを出すことも可能です。
着物は着物1枚だけを着るものではなく、それにまつわる小物の数も多いので昔の着物だからと躊躇せず、いろいろ組み合わせを変えてみることで雰囲気がガラッと変わります。
お母さまやお祖母さまからいただいた着物を着る時は小物を変えてみるといいですよ。
着物の柄で古典なものと流行とは違うの?
着物でいう古典柄とは流行とは真逆な柄で、昔から受け継がれていると言ってもいいくらいの流行り廃りのない柄です。
おめでたい席で使われる吉祥文様の鶴・亀・鳳凰・龍・松竹梅・四君子(しくんし)・牡丹・宝尽くしや有職文様という古くは公家の装束や調度にも使用された立涌(たてわく)・丸文(まるもん)・菱文(ひしもん)・花菱(はなびし)襷文(たすき文)・七宝(しっぽう)・唐草文(からくさもん)などが古典柄と呼ばれています。
その他にも短冊、扇、鼓、御所車など、さまざまな古典柄が存在します。
これらの柄は何世紀も前から使用されている柄なので、流行とはほとんど関係ないと言ってもいいかもしれません。
古典柄の着物は流行がないため、何代にもわたって着ることができる柄であると言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
着物の柄の流行は周期が長いので特に気にすることはありません。
時々時代を感じさせる着物だなと感じるのは柄ではなく色に原因があるので、半衿や伊達衿、帯や帯揚げ帯締めで印象を変えると良いでしょう。
特に近年はアンティーク系の着物が流行していますので、昔の着物もコーディネート次第ではオシャレに着こなすことができるかもしれませんね。
お母さまやお祖母さまから譲り受けた着物も小物を変えることで全く不都合なく着ることができます。
着物をよく触る職業柄か、昔の着物と今の着物を比べると昔の着物の方が肌触りや絹の質が良いものが多いです。
せっかく譲り受けた質のいい着物、できる限り着たいものですよね。