
人が亡くなった後、故人さまの生きた証を分ける儀式として形見分けを行うことがあります。
着物も例に漏れず形見分けの対象となることが多いのですが、あまりにも着物の枚数が多かったりするとすべての着物を形見分けで振り分けることができません。
特に近年は着物を着る機会も少なく形見分けとして着物をもらうことを断る方もいらっしゃいます。
今回は形見分けの着物について書いてみたいと思います。
形見分けの着物はどうしたらいい?
形見分けを予定されているならまず着物の中からあなた自身が欲しいものを何枚か抜いておきましょう。
形見分けを主催されるということはあなたは故人さまにとって身近な人のはず。
まずは遺産相続の権利のある方から選んでもらうのが良いでしょう。
形見として保管する着物はあなたの人生において今後使うであろう着物を選ぶと間違いありません。
まだ親族で結婚していない人がいるなら黒留袖や色留袖、着物で公式行事に参加する機会があるなら訪問着などでも良いでしょう。
そうしてあなたの分の形見を取り分けた残りの着物を故人さまの兄弟、姉妹に選んでもらうといいかと思います。
故人さまの男性の兄弟に着物を形見分けすると言ってももしかしたら断られるかもしれません。
その際には着物ではない他の形見をお分けすると良いかと思います。
形見分けは地域性も絡んでくるためこれが絶対ではありません。
もしあなたの親御さんがいらっしゃるのであれば一度どのように形見分けをしたらいいか聞いてみるのもいいかもしれませんね。
形見分けを断る親戚や兄弟には何もなくていいの?
もし着物の形見分けを断られたなら着物以外のものを形見としてもらっていただきましょう。
地域によってわざわざ新しいものを購入してまで形見分けをされるところもありますが、基本的には故人さまのお持ち物の中から分けるのが一般的です。
ただし形見分けは古くは目上の方から贈られることが一般的であり、逆に目上の方へ形見分けを贈ることはタブーとされていました。
そんな時代背景があるため故人さまのご兄弟でもお兄さまに当たられる方は形見分けを断られるかもしれませんね。
着物の形見分けを断られ、他の物での形見分けをも断られたならその方へ特になにもすることはありません。
形見よりもたくさんの思い出の方がより強く心に残っているものです。
形見分けを受けてくれる人がいない場合は処分はどうすればいい?
形見分けを受けてくれる人がいない場合はあなた自身で形見として保管したいもの以外は思い切って処分しましょう。
故人さまが亡くなってしばらくはなかなか踏ん切りがつかないものですが、数年も経てば「なんとかしなきゃ」という想いが強くなります。
いらない物はいつまでたってもいらない物でしかありません。
しかし、他の物ではそう思えてもいかんせん着物に対しては購入金額もそれなりにすることからなかなかいらない物として処分しにくいものですよね。
そんな着物の処分は着物買取にまとめて買取ってもらうのが一番良い方法かと思います。
着物の買取は着物の枚数が増えれば増えるほど高値になりやすく、そんな中に銘品があったならさらに高額査定になることもあります。
近年は着物を着る機会もめっきり減っているので、よほどの着物好きでなければ1年に1回着るかきないかという状況でしょう。
それでも1年に1回は虫干しをする手間を考えたら、そのままタンスの中でカビだらけにしてしまうより着物好きな人の手に渡り実際に着てもらうことが一番の供養になると思いませんか?
まとめ
いかがでしたか?
私見ですが昭和初期生まれの女性は着物を多く持っていらっしゃる方が多いです。
そんな方が亡くなられると残された着物をどうすべきか本当に悩みますよね?
故人さまの思い出として形見分けをするのもいいでしょうし、どうしても形見分けできない、自分でも着る機会がないなら買取に出しても良いでしょう。
一つだけ確実なのはいらないものをとっておいて年月が経ってもいらないものは所詮いらないものでしかないということです。
特に着物はたんすに入れっぱなしが一番悪く、生地を痛める原因になってしまいます。
絹は生き物、なんて言われていますが本当にその通りなのです。
故人さまが大切になさっていた着物をそのままたんすの中で腐らせてしまうか、着てくれる人の手に渡すか。
あなただったらどちらのほうが嬉しいでしょうか?